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累 かさねのtoshiのレビュー・感想・評価

累 かさね(2018年製作の映画)
4.2
ニナを演じた土屋太鳳さんの演技が光った作品でした。が、累を演じた芳根京子さんもかなり良かったです。
後半ちょっともたつき、ラストはスッキリしなかった感じもしますが、それでも見応えある今作でございました。特に大ラスのお芝居の舞台は土屋太鳳さんの女優魂を堪能する事が出来ました。

口元から頬に上がっていく様に大きな傷のある累。彼女は亡き伝説的女優淵透世の娘。そして累の顔には何故深くそして醜い傷があるのか・・・。それは母透世からもらう一本の口紅の不思議な力が関係しています。そして不思議な力を持つ口紅を使って、女優としてスランプに陥り且つ眠り姫症候群という持病があるニナと、累は口紅を付けキスをする事で顔を入れ替え、母透世の演技力を受け継いだ累がニナとなってスランプからの脱出を図るのですが・・・。

ニナと累の思いとか行動とか考えることとか、顔を入れ替えるたびにどんどん変動していって話が進むにつれて、今どっちがニナでどっちが累?と分からなくなっていきます。

原作未読なんですが、2013年から今年までイブニングで長期連載していた様ですね。原作も読んで観たくなりました。
映画ではなく、ある芝居を観ている様にも感じた今作でした。兎に角そんな錯覚に導いてくれた若い女優のお二方には拍手をおくりたいです。

【余談1】
浅野忠信さん、村井國夫さん、特別出演の横山裕さんの脇を固めた男性陣が良かったです。そして累の母透世の壇れいさんに関しては・・・・。
彼女に関しては何だろう?・・・。透世は亡くなっているからこそ姿を現す場面は今作の重要な個所だと思うのですが、出てくる度に金麦のCMが頭を過りましたw
【余談2】
個人的には小さな感動もありました。それは私が愛する特撮番組ご出演の方々を今作で拝見できたことです。
今作中のお芝居「かもめ」のプロデューサー役に仮面ライダーアギトで木野さん(アナザーアギト)を演じた菊池隆則さんがご出演。色んな意味でプロレスの名レフリーであるw ジョー樋口さんの息子さんです。
次に劇団員役でご出演の、轟轟戦隊ボウケンジャーでキャップ(ボウケンレッド)を演じ、最近では西郷どんでも鹿児島弁が堪能だった高橋光臣さん。今先でのちょっとチャライ感じが良かったです。
特撮でご活躍の俳優さんが出てくると兎に角嬉しくなってしまいます!
【余談3】
今作で劇場鑑賞の初体験です。それは貸切鑑賞ですっ!
東京の豊洲にあるユナイテッドシネマにて、本日上映数分前に場内に入ったら・・・誰も居ない!このまま誰も入ってこないで!!と強く願っていたらその後誰も入ってきませんでした。
初の劇場貸切り鑑賞・・・。最高でしたっ!!
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