これは上質なB級？いや、エンタメホラー映画。
タイトルとジャケットの感じからいくと、何か誕生日にまつわるホラー系の映画かな？仮面みたいなの出てるし、シリアルキラー系かな？という先入観で始まり、いつくるか、いつくるかというホラー展開にじらされつつも、最初の事件が起こった直後、「おや？」と、これは”あるもの”であることに気づかされる。
そして今度は、その”あるもの”を期待して、その後の展開がどうなっていくのか期待するけれども、主人公の行動や物語の展開が、その”あるもの”的にも、ホラー映画的にも、実にじらすじらす。じらしの溜めも、その裏切り方も、なかなかニクイポイントを抑えてくれる。
そのせいもあってか、前半若干、じらしがちな展開に、テンポの遅さが気になるかもしれないけれど、後半のグイグイ来てくれる気持ちよさも魅力。
視聴者を引き付けて、引き付けて、引き伸ばす、連続ドラマで使われる、ある意味クリフハンバガー的な手法が上手く、先を予測させるようなジャンルや展開を抑えておきつつ、その土台を外していく展開が実に見事。
ホラー映画なら、ここで殺されるだろ！ここで来るだろ！えー！そこ、そうなっちゃうの！みたいな、外し方が絶妙な演出のバランス感が見事で、外しすぎないことを前提に、外すポイントやタイミングが実に巧妙。
ホラー映画ではあるけれども、ただホラー映画で終わらず、皆で楽しく視れる映画でもあるので、是非複数人で楽しんでほしい。
