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祈りの幕が下りる時のwhiskeyのレビュー・感想・評価

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
3.6
松本清張原作の古い映画化作品のようだなと思って見ていたら、まんま映画「砂の器」のオマージュのような作品だった。ばらばらに見える複数の事件と捜査線上に浮かぶ人物達が、少しずつ繋がっていくところも、親子の悲しい逃亡生活も、殺人の動機も似ている。


「砂の器」の動機は深刻な差別が背景にあるので、社会全体が元凶を生み出しているという意味で、悲劇性はより強いと言えるかもしれない。松本清張はとにかく「動機」を大事にした人だそうで、人がなぜ人を殺さなければならなかったのか、緻密に設計されている。

話が逸れた。
このシリーズ初作の「新参者」は原作もテレビドラマも鑑賞済みで、あれは怪しく見える登場人物たちが実はみんな善人であることを主人公の刑事が解き明かしていくので、独特の爽快感がある。本作は悲劇的な結末に収斂していくストーリーなので、ちょっと辛い。
そのためか、エンドロールにはちょっとしたファンサービスが入っていて、ここだけほんわかしていた。

松嶋菜々子はきれいだった。
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