FutosiSaito

もうろうをいきるのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

もうろうをいきる(2017年製作の映画)
3.7
 監督の上映後トーク付きで鑑賞。
 日本のもうろう(盲聾)者は1万4千人ほどいるというが、全国盲ろう者協会に登録している方は1千人しかいないとのこと。
 まず、もうろう者のことを知ってもらいたいというのが制作意図だ。
 佐渡で独り暮らしをしている女性や、震災の津波で家を流された男性や、もうろう者同士の自立した夫婦、東大の福島智教授などさまざまな人が紹介される。
 特に過疎化が進んで税収も少なく、公共サービスも低下していると思われる佐渡で、「シルバーさん(シルバー人材センター)」などの手も借りながら元気で暮らしている渡辺さんには驚いた(劇場挨拶もあった)。
 津久井やまゆり園の事件も、監督のモチベーションになったという。
 重度障碍者には生きる価値がないという、あの犯人の主張は、福島智教授が指摘するとおり、経済的に生産性がないと価値がないという我々の意識にも繋がる。
 それを否定してくれる、ドキュメンタリーだった。
 知ることが明日に繋がる。
 
 
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