チッコーネ

犯罪の女王のチッコーネのレビュー・感想・評価

犯罪の女王(2016年製作の映画)
4.2
エンタメサスペンスの中に、社会問題や猟奇ホラーの要素を巧みに織り込んだ作品。
理屈抜きの楽しさは『パラサイト』にも比肩する。
「好奇心と押し出しが強い」、「性器でなく胃袋を掴む」、「包容力がある」といったおばさんの武器を、フル活用していくヒロインが痛快。

セットだがリアリティを湛えた舞台美術に、努力の跡が見える。
静かに主張する撮影も良い。
いくつか取りこぼしもあったが、伏線をなるべく回収しようとする脚本は丁寧だ。
また遊び心を覗かせる画面加工のポップなセンスは、南米の新進監督に通じるものがあった。