ベルサイユ製麺

サイゴン・ボディガードのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

サイゴン・ボディガード(2016年製作の映画)
3.5
ベトナム映画!で、日本人監督!ジャケ満点‼︎
コレは変わってるにちげえねー!捕獲ー!
…と思って借りたのですけど。

ベトナムのサイゴンが舞台、2人組のボディガードの活躍を描く、バディ・アクション・コメディです。なんとベトナムでは初週の動員で『SWローグワン』にダブルスコアだったそうです!
主人公、1人はプロテイン抜きのロック様みたいなルックスの凄腕。もう1人はチッチキチーの人みたいな顔のお調子者。この凸凹コンビこそ、サイゴンで名うてのボディガード、その名もサイゴン・ボディガード!今回の依頼はチッチキチーの自慢の美人の妹(ベトナムのインスタ女王だそうです!)からの物。彼女が勤める大手乳業メーカーの社長が亡くなり、葬儀の為に帰国する社長の息子(イケメン)の身辺警護が今回の任務。そんなの楽勝チャオ♪と思われたのですが、葬儀の最中にイケメンはまんまと誘拐されてしまいます!マズイ!このままだと乳業メーカーの記者会見に間に合わない!止む無くボディガードたちが立てた策は、社長の息子にそっくりな“街のばか”を一先ず替え玉にして乗り切る事だったのです!
…どうですか?脱力しましたか?これがもうとにかく牧歌的で、なんとも心地よいのです。全体の雰囲気は、まるまんまちょっと昔のジャッキー作品みたいなのですが、監督が日本人(すいません!作品観たこと無い方です!)な所為なのか、ギャグの雰囲気は香港映画よりずっと腑に落ちますね。
都市部が舞台なので、ベトナムならではの異文化感とかは殊更無いまま進むなぁとか思って気を抜いてると、いきなりの見慣れぬ葬儀の装束で吹き出しそうになったりします。知ってそうだけど、ちょっと違う。微かなストレンジャー感が堪りません。
もちろんバリバリのジャンル映画なので、すごく考えさせられたり…はもちろん無いのですが、イケメンと街のばかのそれぞれの成長や、ボディガード2人の仲違い→更なる強い絆などが自然に盛り込まれていて抜かりなしですよ。
ハリウッド作の様な、爆発を伴う派手なアクションシーンとかも有りませんが、格闘シーンは見所アリです。最近よく見るスーパーマンパンチはまだしも、“たて肘でスッと前に出る”動きはあんまり記憶に無いのでビックリしました!最小限の動きで最大限の効果!全く映画向きじゃ無いやつ‼︎
その他にも、街中のカブでの追っかけっこ展開での「これNGじゃないかなー?接触したよなー」ってシーンでの素早い画面の切り替え等、見所満載ですよ!
まあ、実際観終わってみると、予想していたようなキテレツ感は然程無くて、寧ろ絶妙なリラックス感とチャーミングさの方に心を掴まれてしまいました。特にボディガード2人のバディ感は高い癒し効果を感じちゃったので、好評を受け是非シリーズ化して頂きたい!出来れば、スターウォーズの新作が出来るごとにぶつけて公開して、ディズニー首脳陣を悩ませてくれると愉快です!
イェー、ズンバ♪…って何⁉︎