猫とフェレットと暮らす人

シンプル・フェイバーの猫とフェレットと暮らす人のネタバレレビュー・内容・結末

シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

シンプルフェイバー(ちょっとしたお願い)から始まる、対比(コントラスト)が効いたキャラクターとテンポが心地よく進むストーリーが楽しめる程よいミステリー映画。

ただし、最後のエミリーが車で跳ねられて這ってでも逃げようとしている時に、駆け寄る訳でもなく、驚いて大丈夫か?と心配してるフリをする主人公のステファニーの怖い部分が描かれてるのが、ほんとの怖さだったりする。

登場人物のキャラクターがとにかく良い。
ストーリーもアメリカのドラマをとりあえずテンポよく2時間映画にしときました的な、ポップな感じがして、楽しめました。

シングルマザーでお人好しな感じの主人公ステファニー(アナ・ケンドリック)とその親友でアパレル会社のPRディレクターであるエミリー(ブレイク・ライヴリー)のキャラクターの対比がよくて、それぞれ引き立っており、どちらも魅力的で、キャラクターからストーリーに引き込まれる演技と演出でした。

エミリーの夫である元ベストセラー作家のショーン(ヘンリー・ゴールディング)のダメな夫だけど、それだけじゃなくて、何とも言えない微妙な感じがいい。結局エミリーにおびえてる感じだし。
エミリーがちょっとイっちゃってるサイコパス感がとっても怖かったし美しかったしで、そりゃおびえるよね。

アパレル会社の社長デニス・ナイロン(ルパード・フレンド)もわかりやすい高圧的で意識高い系でキャラクター良かった。

ミステリーとしてもテンポよく、エミリーの強烈なキャラクターと、ストーリーとしてエミリーの行方?計画?どうなってるの?ってのがずっと引っ張られて楽しめました。サスペンスというか、スリラーというか、謎と恐怖が結構なテンポで展開していき、たまに、主人公のステファニーの性格から笑わせてくれる場面も有り、様々な角度から楽しませてくれました。
ただし、最後の方は、ちょっとごちゃごちゃするので、ストーリーに着いていくの大変でした。

ブラザーファッカー vs シスターキラー 対比でしたね。

あと、母親の家で猫が出ます。


ここから下のレビューは私個人の見解で、自分にあわなかったなぁって事を自分が覚えてくメモとして書かせていただきます。不評の部分なので、読まなくても良いと思います。

フェイグ監督の意図である「あえて鮮やかな色調で挑んだノワール」ですが私には合わなかったようです。
ジャケ写や映画冒頭のタイトルクレジットはオシャレ感をかもしだしてます。これは好きです。
ジャケ写の通り映画内でもステファニーとエミリーの対比(コントラスト)が良いと思います。
ビデオブロガーの演出も写し方も好きです。

だが、初めの小学校のシーンや次のキッチンのシーンがアメリカのドラマ感がありチープに感じました。
監督の意図どおり、鮮やかな映像なのでしょうけど、映像全体の色味(カラーグレーディング)がのっぺりしてて残念な感じがしました。
原因が気になりすぎて、作品名は伏せますが、映像に定評のある監督のアカデミー賞作品のキッチンのシーンを見直して確認しちゃいました。比べるなんて良くないって分かってるけど。個人的な感想ですが、映像の絵作りはもっと凝ってて欲しかったなぁって。てか、こり過ぎなのかな?
これが評価を下げてるのかなぁなんて。

こういうの好みですよね。ガンガンに映像の色味(カラーグレーディング)を調整して、逆に観にくくなってる映画もあるし、このへんは、ほんとに好みなんでしょうね。

今回のはあえて挑んだ演出なので、そういう手法もあるんだなぁっと勉強になりました。

でも映画と全体としてはとっても楽しめました。