おけい

ミスター・ノーバディのおけいのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)
5.0
これは忘れられない作品。
この作品を見終わった後、自分の人生も更に素晴らしいと思えてくる。
我々の日常では常に何かを選択する場面がある。それは食べ物のような小さな選択から結婚相手や職業を決める大きな選択まで様々である。つまり人生には常にいろんな選択肢があり、そこから広がっていく人生の可能性は無限大である。
両親の離婚により、父と残るか母と行くか究極の選択を迫られた9歳のニモのいろいろな未来を同時進行で展開していく監督の手腕は見事だ。人が永久に生きることができる未来でただ一人、死ぬ人間として生きている118歳のニモの記憶としても様々な人生が展開される。

いい人生だった。人生は素晴らしい。と118歳のニモは言う。

最愛のアンナとの人生も素晴らしいし、パートナーとはうまくいかなかったけど愛する子供達に恵まれる人生もある。大恋愛ではなかったけど、結婚して家族に恵まれ仕事にも成功しプール付きの大豪邸に住むような人生もありえたのだ。どの人生が本当でどの人生が正解なんてことではないのだと思う。

もともとジャレッドレトーが好きだったので4代目ジョーカーを演じた時もかなり大興奮したけど、本作のミスターノーバディ役も最高だった。本作でもカメレオン俳優ぶりは健在。同一人物ニモのはずなのに枝分かれした人生により雰囲気がガラリと変わるところが凄く好き。
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