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ミスター・ノーバディのAZのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)
3.8
本当に最後の最後まで全貌がわからない作りになっていて、それが故、訳がわからないまま終わってしまう人もいるかもしれない。

その理由は、本当は存在しない人物たちが主体的にストーリーを展開させる為なのだけれど、自分はすんなりと受け入れることができた。なぜかというと、一番重要であるポイント(父親と母親を選択しなければならない部分)を重要だと感じながら観れたから。

捉え方は大きく分けて2つあると思う。1つは子供の"想像の世界"、もう1つはノーバディの"妄想の世界"。

個人的には"想像の世界"だと思うのは、未来が未来過ぎるという点。胡散臭い未来になっていたから、それは逆に良かったと思う。

残酷な選択を強いられるなか、瞬間的に頭をフル回転させ未来を想像し、そこから逆算して今何をすべきかを考える。時間は不可逆であるから。

「パラレルワールドを生きたミスター・ノーバディ」といった見え方の映画だったけど、全貌がわかると意外と普段から人がやっている行為を拡張させた内容だったし、"父と母という選択肢"という軸に説得力があった為、結構リアリティのある映画だったと感じた。

大人になってしまった自分としては、子供の頃の思い出なんかも少し思い出して、無常観を感じてもやもやした。

あとジャレッド・レトが良かった。
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