天豆てんまめ

ミスター・ノーバディの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)
4.3
さて、どうしようか。

緊急事態宣言が出て立ち止まる。
2人の息子たちは来週末から入試。
もし、万が一、うつってしまったら。。

業務上テレワークができないため来週にかけて数日の休業を取ることにした。

時代はもう戻らない気がする。
だから人生の舵を切っていこう。
次の一手をどう打つか。

考えて、考えて、考え抜いて、、
そして視野が狭くなっていたなら
この作品を観るのがオススメだ。

実に難解で不可思議で面白い。 

死ぬ直前に観ると言われる走馬灯のような映画と言えようか。

人生に立ち止まってどこへ行けばわからないような時、この作品を観ると人生を俯瞰から眺めたり、死から眺めたりできて、ふと新たな発想が生まれる。

この作品の主題でもある選択の分かれ目とパラレルワールドは深い。ある意味、様々なパラレルレパートリーの全部入れ映画。

でも解釈探しは手放して、映像と音楽の美しさと物語の語り口に浸っても楽しめる。

映像も音楽もダイアンクルーガーも美しい。

1人の少年の選択から派生して、、
別れた両親どちらについてく人生。
3人の女性、誰と恋する人生。
出会う人生、すれ違う人生。
死ぬ人生、生き延びる人生。

夢か現実か妄想か記憶か創作か。

夢見てる時は夢とは気づかない。
死ぬとは永遠に起きないこと。
眠っていると同じなら
人は毎日死んで生まれる。

結局、死ぬ直前に全てが曖昧模糊と混濁するならば全部、真実として楽しめばいい。

夢や妄想に没入しきって、現実と同列に、いやそれ以上に溶け合って生きる人間が、アーティストか狂人になるのだろう。

人生は選択の連続だ。

この作品を観ると余計にそう思う。

今一度価値観の見直しが必要な時代。

大切なものを大切にするために。

ゆっくりとじんわりと考えて

次の一手を心して選択したい😌