うさふわ

ミスター・ノーバディのうさふわのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)
4.8
無数の選択肢と運命。
すごいものを見てしまった。
頭使い過ぎて変に覚醒してしまい気付いたら明朝になっていたくらい笑

2029年、全世界の人々が不老不死を手に入れ、118歳のニモは最後の寿命ある人間となった。その人生の歩みに世界から注目されるも、記憶が混濁し、ニモの口からは様々な物語が紡ぎ出される。
3人のヒロインと共にする人生と、そこからレールの様に分岐する計12通りの可能性に科学的知見を交えて、1人の男の人生を追う。

全てを理解しきれないけど、この映画が傑作ということだけはよくわかる。
1つ1つの絵のセンスの良さに脱帽。胸キュンシーンに胸を踊らせ、遊び心あるカメラワークと演出、場面と共にガラッと変わる雰囲気も、全てが魅力的で好きすぎる。ヒロインの色分けも複雑な構成だからこそ効果的。6年掛けて緻密に練られた脚本は重厚。全ての描写に意味があり、思考を張り巡らせ、感性が揺さぶられた。

「人生とは複雑なようで単純なもの」
ニモの12通りの人生はどれも正しく同等の意味がある人生だった。
可能性というプールの中に身を沈め、もがき続ける人生。
矛盾した法則がいくつも唱えられているこの世の中に"絶対"はないが、シンプルな何かに導かれるような瞬間がある。
ニモが歩んだ人生。それはーMr.Sandman♪
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