2092年、細胞の永久再生に成功し、人間は永遠の命を持つようになっていたが、ニモ・ノーバディは118歳にして世界唯一の"命に限りある"人間だった
「時間は戻せない、だから選択に悩む。」
誰もニモの過去を知る者はなく、死を目前にした彼は医者の催眠術やインタビュアーの質問を通じて自らの過去を回想していく
「私はミスター・ノーバディ、存在しない男だ。」
ミスター・ノーバディが語る過去の記憶は普通の人間のそれとは違っていた
「過去は思い出すのに、未来は違う。」
両親の離婚、父親について行った記憶と、母親について行った記憶の両方が語られる
「時間は物事に順番を与えるもの。」
アンナ、エリース、ジーンという3人の女性
「君は生き延びねばならん、2092年2月12日の午前5時50分までな。」
母親について行って、ニモが惹かれたアンナとの情熱的な出会い。
「なぜ君はそこまで確信が持てる?自分が存在していると。」
父親について行って、献身的で自己犠牲なニモの前に偶然の再会で現れるエリース。
「唯一の可能な動きは、動かぬことだ。」
感情にも任せず、偶然にも任せず、自らの理性で確固たる人生設計のもとで一緒になるジーン。
「私の生きたどの人生もが真実だ…どの道も、正しい道だった。」
ツークツワンク。
わかっているからこそ選択できずにいる。
9歳のニモが選んだ道の先に落ちていた葉を吹き飛ばすと、その先には…。
とても素敵な物語でした。