れんれん

夜間もやってる保育園のれんれんのレビュー・感想・評価

夜間もやってる保育園(2017年製作の映画)
2.0
ドキュメンタリーとして、夜間保育園を扱ったこと自体に☆2つ。

ただし、ドキュメンタリー映画としては甘い、というか消化不良の連続。

夜間保育園という存在自体が、まだまだ知られていない、というなら、そのスケジュールを丹念に追えばいい。なのに、東京、沖縄、北海道の3園に話を聞いて、それぞれがくっきりと分かれた問題提起をするわけではないから、「なんだか、夜に預ける親がいて、その人たち向けの園」という漠然としたイメージが伝わるのみ。取り上げる家族の数を減らして、じっくりタイムスケジュールや、親の悩みなどを掘り下げればよかった。

推測だが、新宿・大久保にあるエイビイシイ保育園の園長が、監督に手紙を出したのが、この映画を作るきっかけになったというから、その園長の人脈で撮影できる対象者を集めたのだろう。厚労省職員、幹部が登場したり、「卒園生」である子どもたちを連れて、児童相談所職員の母親が懐かしのエイビイシイ保育園を訪れたり(ラストシーン)という流れから、それがうかがえる。つまり、意地悪く言えば、保育園にとって「行政対応」の一環であり、それに付き合わされたという感じがしてしまう。

言ってみれば、相手の手のひらの上で取材させてもらっている感じ。

ドキュメンタリー映画でパブ臭を感じると、それはテレビの露骨なパブよりがっかりしてしまう。
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