カラン

ニア・ダーク/月夜の出来事のカランのレビュー・感想・評価

4.5
キャスリン・ビグローの『ストレンジデイズ』のレイフ・ファインズとジュリエット・ルイスのカップルに久しぶりに会いたかったが、なかったので、こちらに。アナクロするが、『ベルフラワー』と『悪魔のいけにえ』と『アダムスファミリー』をかけ合わせたかんじ。パワーがある。



男: 体がふらふらする。

女: だから必要なのは・・・

男: 殺すこと。

女: その通りよ。夜はそのためにあるの。


最初はこのB級映画はどこに着地するのかと思って観ていたが、目的地なんてないのかと諦めが入ってきたところから、なかなか引き込まれた。ビグローはブラム・ストーカーをネタにして、換骨奪胎したと言っているが、その通り。十字架と吸血鬼の伯爵というゴシックな要素を、炎と高笑い付き惨殺という悪魔系のロックに変える。

夜、軽くポエティック、殺し、太陽、煙をあげる皮膚。ギリギリ青臭いポエムと燃えさかる暴力。その繰り返しで、大炎上。

ビル・パクストンの狂ったパンクスが、意外にカッコよかった。ランス・ヘンリクセンが、車の中で汚い毛布から目だけ覗かせて炎に包まれて、突っ込んで来るシーンは荘厳ですらあったかと。オジー・オズボーンとか好きな人は観ると吉か。
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