キャスリン・ビグローの『ストレンジデイズ』のレイフ・ファインズとジュリエット・ルイスのカップルに久しぶりに会いたかったが、なかったので、こちらに。アナクロするが、『ベルフラワー』と『悪魔のいけにえ』と『アダムスファミリー』をかけ合わせたかんじ。パワーがある。
男: 体がふらふらする。
女: だから必要なのは・・・
男: 殺すこと。
女: その通りよ。夜はそのためにあるの。
最初はこのB級映画はどこに着地するのかと思って観ていたが、目的地なんてないのかと諦めが入ってきたところから、なかなか引き込まれた。ビグローはブラム・ストーカーをネタにして、換骨奪胎したと言っているが、その通り。十字架と吸血鬼の伯爵というゴシックな要素を、炎と高笑い付き惨殺という悪魔系のロックに変える。
夜、軽くポエティック、殺し、太陽、煙をあげる皮膚。ギリギリ青臭いポエムと燃えさかる暴力。その繰り返しで、大炎上。
ビル・パクストンの狂ったパンクスが、意外にカッコよかった。ランス・ヘンリクセンが、車の中で汚い毛布から目だけ覗かせて炎に包まれて、突っ込んで来るシーンは荘厳ですらあったかと。オジー・オズボーンとか好きな人は観ると吉か。