ガブXスカイウォーカー

ドクター・ドリトルのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

ドクター・ドリトル(2020年製作の映画)
4.0
エディ・マーフィの1998年版はドリトルが動物たちに振り回されっぱなしなので、観ていてストレスが貯まったんだけど、今作の動物たちはドリトルを尊敬して助手を務めるので、じつにいい感じだ。しかもドリトルは奥さんを亡くしたことにより世捨て人となっている設定が辛い現実から逃れたがっている現代人の共感を呼ぶかもしれない。

そんなドリトル役をロバート・ダウニー・Jrは今回はさえない風貌と『アイアンマン』や『シャーロック・ホームズ』ともまた違う偏屈さでコミカルに好演。高度なCG技術と相まって、本当にドリトルと動物たちが会話しているかのようである(1998年版はドリトルの家系は生まれながらに動物と会話できたが、今作のドリトルは動物たちの言葉を研究、解読して会話できる設定だ)。

ストーリーも、女王の命を救う治療薬を探しに大海原に出ると格段にスケールアップしている。ドリトルと少年と動物たちがさまざまな困難をくぐり抜けていく冒険物語はドキドキワクワク、そして笑いがいっぱいだ。

ファミリー向けのアドベンチャーコメディなのでエログロ要素はないため、大人にはちょっと物足りないかもしれない。それにドリトルに弟子入りする少年トミー・スタビンズ(ハリー・コレット)はいなくても物語は成立する。だがドリトルと動物たちのジョークだらけのやりとりや豪華な映像を観ているだけでも充分楽しい。コロナ禍で辛い人たちはぜひ今作を観て心を癒して頂ければ幸いである。

日本語吹き替え版は、
有名人ワクは
オウム:石田ゆり子
ダチョウ:八嶋智人
マフィアのアリ:霜降り明星〈せいや、粗品〉
が担当。石田は浮いているけど、いい味を出している。八嶋と霜降り明星は全く気が付かなかった。

メインは有名な人気声優陣が多数出演。もちろんロバート・ダウニー・Jrは定番の藤原啓治(2020年4月12日死去)だ。今作は藤原の遺作と言われている。哀悼の意を表して4.0。