ペコちゃん

フラットライナーズのペコちゃんのレビュー・感想・評価

フラットライナーズ(2017年製作の映画)
3.8
心霊現象系の映画かと思ったらそうではなくて人間心理に基づくような内容で意外だった。

心臓を意図的に停めて蘇生するなんて、チャレンジングな試みを行う医学生たち。

臨死体験をした後のハイテンションぶりはちょっと恐かった。尋常ではない領域に踏み込んだ高揚感と実験に成功した喜び、普段使われる事のない脳の一部が活性化されたことによるんだろうか。

日常生活で忘れ去られていた後ろめたさを感じる過去の出来事が幻想とも現実ともつかない形でおのおのに恐怖体験を伴って呼び起こされていく。

脳の働きによるもの?
はたまた遊び半分ではいってはいけない領域で邪惡なものに取りつかれたのか?

それらは自らの罪惡感によって生み出された幻想にも思えるし、実際に過去の人物によって復讐されているようにも見える。

コートーニーの死後、ひとりひとり殺されていくのかと思ったらそのような展開にはならなくて、自分が犯した罪に対して誠実に向き合い、人間愛が深まるような内容でよかった。

仲間同士で競い合うような世界にいた人達が、実験を通して友情と信頼を築き上げていく様子とか、レイがマーローを死後の世界から呼び戻すシーンとかロマンチックでよかった。

向こう側に行ったコートニーがマーローに「自分を許すのよ」と呼びかけていた。マーローの事件は映画を深める事に繋がったと思う。

臨死体験による心霊現象と見せかけて人間が持っている罪惡感と結びつけたり、人間ドラマや恋愛があったり、色々な要素がごちゃまぜになった印象だけれど面白かった。