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クワイエット・プレイスのkenのレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
4.3
最初から手話で始まる展開に少し驚いたが、冒頭のシーンで起きた悲しい出来事に端を発し、最後まで緊張感が途切れることは無かった。

エミリー・ブラントが母親イブリン役を熱演している。後半、母としてサバイバーとしての存在感は圧倒的で半端ない。演技派女優のエミリーがもつ魅力を堪能させてもらえた。この作品は劇場の臨場感溢れる音響効果の元、観るべき映画である。

父親リー役のジョン・クラシンスキーは実生活での配偶者でもある。本作では監督、製作総指揮、脚本も兼任しており、多彩な才能をもっている。エミリーとしては夫婦役を夫と演じることになった記念すべき作品となった。

音に反応して人間を襲う怪物から生き延びる為、裸足で歩き手話しか使えない。絶対に音を立ててはいけないサバイバル生活の中で、家族が知恵を絞り如何にして生き延びていくかが描かれている。単なるサバイバルホラーではなく、家族の絆、親子愛、そして子を守りきる親の壮絶な闘いの物語である。

父娘の確執が無くなり、娘が心から愛されていたことを知るシーンは少し目頭が熱くなった。子供の気持ちは複雑だからこそ、親がきちんと普段から聴く耳をもって接することが大事だと思う。心で思っているだけでは伝わらない。愛していることを日頃から言動で示すことが大切なことだと改めて気づかせてくれる。パート2の撮影が既に始まっているそうで、今から楽しみである。
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