予告編や宣伝で勘違いさせるパターン。勇気を持って、最初からモンスター映画だと謳っておいた方が、良心的だったのでは？
というのも、映画の作り自体が案外地味だから。Itを引き合いに出すほどキャッチーな内容ではなく、主に耳が聴こえない姉（彼女の存在により習得した「手話」という手法が、一家をここまで生き長らえさせているという設定が興味深い）を中心としたドラマが主体なので、冷え冷えした恐怖を求めていくと拍子抜けだろう。私も、本格ホラーかと思って気合いを入れて観に行ったが、その点ではちょっと消化不良だった。
また、クリーチャーのアイツの造形も個人的には面白みに欠けた。正直アラの多いストーリーは許せても（物議を醸している、こんな時に何故子作り問題は「むしろ燃えた」説を提唱）あのどっかで見たような容姿は安易に映ってしまったなぁ。
しかし、兎にも角にも、この映画はラストシーン、特にラストショットが秀逸で、それまでの不満を全部持っていった。終始、抑圧されまくりからのアレは素晴らしい。思わず「おぉ」と呟いてしまい、隣のお客さんをビクッとさせてしまいました。すいません。
