ロク

クワイエット・プレイスのロクのレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.8
音に反応して人間を襲う“何か”によって人類が滅亡の危機に瀕した世界で会話は手話、歩く時は砂を敷き詰めた道の上を裸足で歩くという厳しいルールを守りながらトウモロコシ畑が拡がる人里離れた牧草地の中に佇む一軒屋で静寂に包まれながら暮らしていた一家だったが妻は出産寸前の妊婦だった ... 予告を観る限り息づかいでも襲い掛かってくる“何か”の恐怖を描いたホラー映画なのかと思っていたら音を立ててしまうと“何か”によって命を奪われてしまう荒廃した街を舞台に“何か”に怯えながらも 工夫されたアイディアを活かしながら家族一丸となってこの世界で生きていこうと努めていく姿や新たな命の誕生、娘と父のすれ違いの思い、息子の成長、母の強さなどの人間描写に重きをおいた家族愛をテーマにした作品となっていて少し驚きました。特に家族の中に起こったある悲しい出来事の責任が自分にありそのことで父親からも自分は恨まれていると考えている聴覚障害を患っている長女(演じるのは実際に聴覚障害を患っている女優ミリセント・ジョーンズ)と父親との心の葛藤を描いたシーンは印象に残りました。音を立ててはいけない世界って判っているのに何故奥さんは妊娠したのか?音を立てちゃいけないっていう割には家族が結構音立ててる、手話で会話するなど極力音を排除した世界観を作ってるのに効果音や劇中音楽はガンガン流れるなど突っ込みどころも多い作品だけど田舎の一軒屋で登場人物は4人だけという低予算映画としては及第点以上の出来上がりではないかなと思います。ジョン・クラシンスキー以外と監督としての才能ありますね~奥さんのエミリー・ブラントも良かったです。
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