塩犬

クワイエット・プレイスの塩犬のレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.5
迫る誕生と絶望、未来を照らすのは人か人ならざるものか。

ホラーというよりもSFパニック系になる感じ。クリーチャー系なので純粋にホラーとかを見る時と比べて「どうしたら生き残れるか」とか「どうしたら倒せるか」を考えてみていた。
最初から絶望感が最高潮になっているため、物語の最後の方までそれほど気持ちの落ち込みもなく見れたが、恐怖シーンよりどちらかと言うと物理的に痛い描写が結構あって、映画見ながら1人百面相状態になった。
SFパニック系だからと言っても、家族の中の蟠りだったり、子供たちの成長だったり家族愛について語りかけるような話。命が常に奪われる環境で、共に生きることと傍で失うことの切なさを各シーンで描いている。個人的にメインの家族と関係ない老夫婦のシーンは胸が締め付けられた。
劣勢に立たされた人類は希望を見出すことが出来るのか。ここが最大の問題となる今作だが、テーマ曲の使い方は秀逸だったと思う。予告編や本編中は人類を脅かすクリーチャーの鬼気迫る存在感を表していたが、本編終盤ではその曲の意味も少し変わってくる。女性は強いのだ。
筋書きはなかなかに王道感があり、予想は付きやすい構成だったがその分すんなりと見れる作品だった。
強いて気になったことを言えば、CMや予告編などで「音がすれば」と言ってる割には意外と音立てて過ごしている気もする。この音はセーフなのにこの音はアウト?音に集まってくるわりに大きな音が続く場所には集まらないのか??とか。
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