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クワイエット・プレイスのyumeayuのレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.5
エミリー・ブラントの顔芸

2018年に話題になったパニックホラー。
「音を立てたら即死亡!」というアイデア一発勝負な作品。あちらこちらで話題になっていたので、楽しみにしていましたが、ちょっと期待し過ぎたかなという感じ…。

オリジナリティー溢れるそのコンセプトについては評価できるものの、そのコンセプトがどこまで細かいものかよく分からず、矛盾点や疑問点が残るのはちょっと残念でした。緊張感は確かにありましたが、ホラーと呼ぶには怖さや不気味さが足りなかったように思えます。

"なぜ音を立ててはいけないのか"という理由が早々にわかりますが、その答えが個人的には残念なものでした。もっとオカルト的なものかと思ってましたが、地球外生命体というすごくアメリカっぽいものでしたね(笑)。やっぱりそうくるか。

となると、結局は生命体ですから、なんとか対処法がなかったのかという疑問が。音に反応することは分かっていた訳ですし、弱点?をつけば銃で倒せるんですからね。なので、人類のほとんどが死滅した世界と言われてもいまいちピンときませんでしたね。

肝心な"音"の扱いに関しても、どこまでがダメでどこまでがOKなのか?
環境音はよくて生活音はダメ?
だったら滝や川の近くで暮らせばよくない?
電気が使えるなら、どこか遠くで爆音で音を流せる仕組みとか!
まぁ、ツッコミ所をいちいち指摘したり、劇中であれやこれやと説明されても興ざめなのは分かりますが、もう少し頑張ってほしかったところ。

しかし、シャマラン監督の「サイン」やフランク・ダラボン監督の「ミスト」のように、世界規模の出来事なのにひとつの家族にスポットを当てた構成になっているところは良かったと思います。
作品の根底には"沈黙を破る勇気"というような社会的なテーマもあるようですが、そこまでは深く読み取れませんでした。

あとは作品を楽しむ上で、鑑賞する環境も重要だったのかもしれません。
深夜にヘッドホンを付けて見ていましたが、やはり余計な雑音が入ります。
映画館という閉ざされた空間で見てこそ、集中力と緊張感の持続が出来る作品だと思いましたね。
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