サリンジャー博士

クワイエット・プレイスのサリンジャー博士のレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.8
タイトルが溢れすぎてハズレの多い禁止系ホラーの中で、珍しくかなり楽しめた作品。もはや早いもん勝ちだったと思うが、音を立ててはいけないという設定はかなりスリルがあって良い。また展開がトントン拍子で進むため常に緊張感を持って鑑賞できた。というか作中の8割ほどがほぼ無音シーンなので、ちょっとでも誰かが音を立てただけでめちゃくちゃドキドキした。
登場人物も家族想いだけど厳しい父親、踏んだり蹴ったりな母親、ヘレディタリーに出てきそうな姉、怖がりで優しい弟と個性的で、末弟の死を通してそれぞれ思うところがあり、家族最大の危機に直面してまた一つになる姿がテンポよく描かれている。特に父親と姉の関係は化け物の襲来によって大きく変化し、最後には父親の遺したもので姉が覚醒するという胸熱展開もある。クリーチャーも頭ライチみたいでなかなかキモかった。しかも水中耐性があるハイスペ。
一つだけ違和感があったのは、あれだけ念には念を入れてサバイバル生活を送っていたのになぜ四人目をつくっちゃったのかという点。物語の展開上しょうがないのだけど、絶対大変なことになるだろと思った。自爆テロジジイのシーンは今思い返すとちょっとおもしろかったかも。