Kou

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タグ(2018年製作の映画)
4.0
小中学校の友人と年に2、3回会ってくだらないことをだべるのが恒例になっている。関係を大事にしていきたいという考えのもと、去年からただ会うだけでなく「新しい思い出をつくりに行こう」と旅行を計画し始めた。



今年はお盆に京都旅行をするらしい。日本で1番混むところに、日本で1番混む時期に行くらしい。しかも、ノープランで。なんとも頭の悪い男たちだと思うが、そういうおバカなノリが自分はどうも好きらしい。
だからこそ、実際にアメリカで同じようなおバカをやっているこの男たち、この作品も、自分には合っていたし楽しめたんだろうなと。



題名の『TAG』とは鬼ごっこのこと。彼らは、毎年5月からの1か月間を皆で鬼ごっこに費やしている。その中の一人ジェリー(ジェレミー・レナー)は、29年間の鬼ごっこの中で一度も捕まったことがないという偉業を成し遂げていたため、仲間は一時停戦してジェリーを捕えようとするものの…というのがあらすじ。



あらすじからもうすでに魅力的だし、ジェレミーの骨折をものともしないアクションに、やりすぎなハチャメチャな鬼ごっこに、ラストのほっこり感と、どれをとっても面白い。



しかし、もっと面白いのはこれが(実話)だということ。実話の方では、ひと月の間、奥さんがスパイになったり(なってると思われたり)、職場の人に「こいつだけは何があっても入れるなよ!」と命じたりと、映画顔負けともいえる展開で、記事を読んでるだけでも心底楽しそう。(https://www.dailymail.co.uk/news/article-2270444/23-year-long-game-tag-Friends-flew-world-avoid-it.html)



エンドクレジットにはおまけとして、実際にTAGしてる様子が映るんですが、それがとても微笑ましくいい終わり方。
友達に会い(捕まえ)に行ってタッチしたあと、ハグしあいながら「久しぶり!」「ちくしょう、やられた!」って笑いあうの、いいと思いませんか。



みんながみんな年取ったおじさんですが、めちゃくちゃ若く見えるんですよ。(子ども心を忘れない)ってああいうことを言うんでしょうね。



ぼくらは毎年鬼ごっこはしませんし、相手の会社にこっそり忍び込んだり、ビルから飛び降りたりもしません。
でも、彼らのように、毎年子ども心を忘れずはしゃいでいるので、これを毎年のイベントにできたらいいなと思いながら締めの言葉とさせていただきます。あったか良い映画でした。



(おまけ)
去年は年末の伊勢旅行。昼前に地酒をあおり、おかげ横丁一軒につき一杯縛りでまた酒をあおり、皆が前日参りをする中唐突に川に降りて水切りをした、そんな旅行でした。あの近辺にいた方、すみませんでした。



今年は盆の京都旅行。朝7時にコンビニで酒をあおり、錦市場をぶらぶらし、天ぷら居酒屋でバイトの姉ちゃんをやたら呼びつけ、京都になんも関係ないボードゲームバーでぎゃーぎゃー騒ぎ、夜中の伏見稲荷をペンライト片手に全力疾走する、そんな旅行でした。今年もまた、すみませんでした。次はどこにあやまりに行こうかな。



2019年7月29日 30本目
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