しんご

ALONE アローンのしんごのネタバレレビュー・内容・結末

ALONE アローン(2016年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

誰しも生きていれば何度かは人生を左右するような決断を迫られたことがあるはず。告白、結婚、進学、就職などなど…
そんな勇気のいる決断をするかどうか考えているとき、先送りにしようとか、いっそのこと逃げてしまおうと思ってしまう人も少なくないと思う。自分自身がそうだから。しかしもし、そこから逃げられない状況だったら…。

相棒と戦地にいる最中、ターゲットの狙撃に失敗し避難場所を探す主人公たちは、地雷原を通らざるを得なくなってしまう。嫌な予感がする中、相棒は地雷を踏んで足が弾け飛び、自分も地雷を踏んで一歩も動けない状況になってしまう。救助は2日以上後にしか来ることができない。そんな文字通り絶体絶命の状況の中、どうやって困難に立ち向かって行くのか…

作中では重要なキーワードとメッセージが繰り返し登場していた。「自由人になれ」「前へ進め」
地雷を踏んで動けない人間になんと皮肉なメッセージだろうと思ったものだが、最終的に主人公は決断を迫られる場面がきてしまう。逃げることは許されない、そんな場面だった。

まるで当然のようにHappy Endで終わったが、その過程にある苦悩は計り知れない。一分一秒たりとも気が抜けず、水も食料も限られ、一睡もできない。そして何より、手元には銃がある。
ときどき「一般人の拳銃所持が許された国では自殺率が高い」なんて話を聞くが、もし自分が同じ状況に迫られたら、どうしようもなくなって思わず銃口を自分に向けてしまうかもしれない…。もしくは、やけになって地雷から足を離してしまうだろう。いずれにせよ、決断というよりも放棄に近い。
そんな中で、主人公は強くいた。楽になりたいと思った瞬間も何度とあっただろう。しかし最後まで諦めなかったのだ。

生死を賭してまで決断を迫られる場面というのは、やはり日常にはそうそうない。だからこそ逃げるという選択をすることができるのだ。
だが、いざ逃げられない状況になったとき、自分はきちんと前へ進めるだろうか。決断を迫られる瞬間はいつやってくるか分からない。だからこそ、自分の意志で決断を下せるようになりたい。
しんご

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