Kei

ある女流作家の罪と罰のKeiのレビュー・感想・評価

ある女流作家の罪と罰(2018年製作の映画)
3.5
昨年、南仏エルヌという小さな田舎町のテリュス美術館で、所蔵の約6割が贋作だと判明する事件が起きました。

事件が明るみになったのは、当時はまだ建てられていない建物が描かれていたことに一人の美術史家が気づいたからでした。

アート作品と贋作は切っても切り離すことは出来ません。あのミケランジェロでさえ、売れない時代には贋作の制作に加担したと言われています。

映画"ある女流作家の罪と罰"は、かつてベルトセラー作家だったリー・イスラエルという女が落ちぶれて、有名人の手紙の偽物作りに手を染めていく物語です。

用心深いリーは、手紙のフェイクを唯一の友人でゲイのジャックに売り歩かせます。
ジャックは、疑心暗鬼のリーに対して"僕の友達は皆エイズで死んじまったよ。このことを誰に話すっていうんだい"と彼女を安心させました。

原題は"Can You Ever Forgive Me?"で、これは後に、リーが事件の顛末を綴った自伝そのままのタイトルです。

彼女が何に罪を感じて、誰に許して欲しかったのか、映画を見ればきっと感じ取れると思います。

大きな盛り上がりは少ないですが、とても丁寧な心理描写と助演リチャード・E・グラントの演技が素晴らしい"ある女流作家の罪と罰"はオススメです!!
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