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四月の永い夢のいくらのレビュー・感想・評価

四月の永い夢(2017年製作の映画)
3.9
ポスターに惹かれて近くの小劇場で鑑賞。春の終わりの夜にはぴったりの作品でした。久々の劇場での邦画鑑賞です。

中学の音楽教師を辞め、近所の蕎麦屋でアルバイトをしている初海。ある日彼女の元に一通の手紙が届く。それは3年前の春に亡くなった恋人が書き遺したものだった。隣の工場で働く青年からの求愛、かつての教え子との再会、そして初海が隠していた秘密。あの日から、止まったままだった季節が、動き出す。

死をテーマにした作品として目新しいのは、今年公開したリメンバーミー。あれは死者を理解し、忘れないことをメッセージとしてましたが、今作は、死者を受け入れ、ほんの少し忘れてみることも必要だというメッセージのように感じました

主人公の初海がすごくよかった。綺麗で透明感があるのに、常にどこか自信がなくて申し訳なさそうな感じが、優しさのあまり恋人を引きずっているのだと理解ができた。愛想笑いが似合わないって言われて、愛想笑いしてたのが見ててとても辛かった。志熊も、普通なら一途すぎて少し怖いけど、不思議と嫌悪感が無いのは役者の力量ではないだろうか。

不満点としては、説明不足な部分と説明過多な部分が両方目立ったこと。なぜ教師に戻ることにそこまで躊躇していたのかだけはよく分からなかった。あと、手紙のくだりはちょっと長かったかなあという気がした。

いやー、何と言っても、幕切れが最高によかったです。ラスト直前までどうなるか不安で一杯でしたが、あの最後の笑顔だけで、安心して目がうるみました。伏線回収と共に、主人公の幸せが目に浮かびます。ラストのもっていき方って、ホント、大事ですねえ。

中川監督、27歳!お若い!まだ少し青臭さの残る映画でしたが、中川監督にはこれから大いに期待。