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四月の永い夢のnatsuのレビュー・感想・評価

四月の永い夢(2017年製作の映画)
3.7
久しぶりの朝倉あきさん。一時期、女優業停止してましたよね。顔の印象が変わっていて、なんだか、かなり大人になった印象。

とてもゆっくり、丁寧に撮られている印象はあるけれど、少しだけ違和感もある。
亡くなった恋人の死因は早いうちから想像はできる。ただその原因が自分にあると思っているのか、最後まで一緒にいれなかった自分を恥じているのか、責めているのか…。見終わってからフライヤーを見返してみて、そこにヒントがあったことに気づいたのだけれど。亡くなった彼へのどうしようもない怒りみたいなものもどこかにあるのだろうと思う。

告白後の彼の母の言葉に、共感するとともに許される気分になる。人生は何かを獲得していくものだと思っていたが、実は失っていくものだと気づいた、といった言葉。
歳を重ねたからこその言葉なのかもしれないが、私もそう思うようになった。
生きていると失っていくものはとても多い。それを悲しむだけでなく、受け入れていくことが、人生なんだとしみじみ感じている。
若くして大切なものを亡くした時の喪失感はとてつもなく大きい。獲得する人生の真っ只中にいる周りの人が羨ましく思えたり、どうしようもなく悲しみが押し寄せてきたり、動けない自分を責めたり、原因となる相手を責めたくもなったり。。
でも喪失感とはいつか皆、直面するもの、気づくものなのだ。
一足早く経験してしまったけれど。それを受け入れ昇華する。その時、今まで以上に世界に優しくなれて、また人は前を向いていけるのだと思う。

でもね、誰にも言えないものかな?恋人と〇〇〇たこと。お葬式の時には。3年もの時間が経って気持ちが整理できたから、言えたのだろうか?なんとなくそこが、私には違和感がある理由かもしれない。あとね、音楽の先生なんだ!っていう驚き。映画の中で言ってましたっけ?彼女の暮らしぶりからも感じられなくないですか??

岸恵子さん、なんだろうすごく存在感あった。母親役なのに色っぽさもある。私的注目度、上昇中〜。
青柳さんは、今泉監督以外で初めて遭遇したかも。そして、教え子役の彼女、どこかで目にした気もするけれど映画はじめて?なのかな?今後の期待大なのです。
三浦くん、こういう不器用な役、意外ににしっくりきました。イイね。
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