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ハンターキラー 潜航せよのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

面白かった!こんなB級映画みたいな副題がついているのが本当に勿体ない。一時たりとも気が休まらない、ハラハラワクワクする戦争アクション映画。

とにかくジェラルド・バトラーの説得力!この艦長に従っておけば間違いないという安心感。副長は常識的なだけで、艦長の実力に気付いた後はすっかり従順だし、この手の話にありがちな事態を引っ掻き回す無能が艦内にいない。代わりと言っては何だが、地上には無能上司役としてゲイリー・オールドマンがいる。ただこいつの周りを固めているのがみんな有能なので、こいつの存在は全然気にならない。

この手の映画なのにロシアを一方的に悪く描いていないのにもとても好感を持った。ロシア側の大統領、SP、艦長、乗務員がみんな魅力的。アメリカとロシアで協力してクーデターを起こした犯人をやっつけよう、という勧善懲悪ストーリーであり、わかりやすくスカッとする。でも地上部隊では犠牲も出ており、決して甘々なストーリーではないのも良い。

途中までは地上部隊にはそれほど感情移入できていなかったのだが、負傷した若造が、絶体絶命の危機に遠くからスナイパー的に味方を救出したシーンで思わずガッツポーズをしたし、隊長が若造を助けるため一人戦場に戻っていったシーンでも胸が熱くなった。

ラストの展開も含め全体的にご都合主義的ではあるのだが、それでも「こうなってほしい」という展開をしっかりと見せてくれるので、この手のジャンル映画としては全く文句のない出来だと思う。緊張感が持続し、非常にテンポが良く無駄なシーンもないのに、どのキャラクターもしっかりと個性が息づいている。場面がコロコロ変わるのに事態がきちんと観客にわかりやすく伝わる丁寧な作り。そして米露の艦長が心を通じ合わせる展開はまさに胸熱。最高にスリリングで楽しい映画だった。
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