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ハンターキラー 潜航せよのJIZEのレビュー・感想・評価

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)
3.4
頼れる男役をやらせたら右に出る者はいないG・バトラーが『ザ・アウトロー(2018年)』に引き続き今回は潜水艦内を背景に"手に汗握る"迫真の演技で叩き込まれ続ける。端的に悪が懲らしめられるシンプルな活劇アクションと云えばそれまでだが机上の空論シーンが作中の半分以上を占めていた印象を受ける。水中で繰り出される魚雷発射シークエンスや潜水艦の海とネイビーシールズの陸との二つの視点で並走する展開も作品内に厚みを加えていた。中盤から海洋活劇の密着365日ドキュメンタリを観てるような感覚で白熱する決着の行方には目が離せない。

最近ではバトラー主演の金字塔『ジオストーム(2017年)』などディザスター映画として毎年コンスタントに吸収したい掘り出し物映画として板に付いた感じがうかがえる。まさに沈黙の艦隊が勝負を仕掛ける男のロマン群像劇としてリズムよく針を通すような緊張感に全編が包まれていた。そこまで戦艦内の仲間を深掘りせず作戦を実行する中での動向に重きを置いているため淡麗さが良い意味でのこる映画だった。バトラーの名演を抜きにしても脚本の巧みさを真っ直ぐに味わえる男の中の優れた男映画である。
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