「潜水艦映画に駄作なし」という言葉が、いつしかこのジャンルのハードルを過度に上げてしまっていることは否めない。
私見だが、その言葉の意味するところは
⑴閉塞された空間
⑵艦外情報が取りにくさ
⑶レーダー頼みの視界不良
⑷文字通り「水圧」のプレッシャー
が描かれることであり、作品によってはこれに以下の要素が加わり、映画の面白さを醸成する。
・指揮命令系統の破綻
・内紛/裏切り
それを踏まえて本作。潜水艦映画で描いてほしい数々の要素は満たされているものの、ひとつひとつの行動の意思決定の軽さや、都合の良さがどうしても気になり、そこまで物語に没入できなかった。
艦内、指令本部、敵艦という要素以外に、陸上でのミリタリーバトルが加わっていた点は新しさを感じる。