LalaーMukuーMerry

ハンターキラー 潜航せよのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)
3.9
(地理の問題です)
・バレンツ海の位置を世界地図で示しなさい。
・バレンツ海に面するコラ半島の位置を地図で示しなさい。どこの国の領土でしょうか?
・コラ半島のお向かいにあるカニン半島を確認しましょう。
(コラ!、堪忍(カニン、謝り口調) とペアで名前を覚えましょう。)
・コラ半島のフィヨルドの奥にある街ムルマンスクを地図で示しなさい。
・冬に港が凍るペテルブルク(旧レニングラード)に対し、ムルマンスクは不凍港です。ムルマンスクはぺテルブルクよりずっと北に位置しますが何故ここは不凍港なのでしょう?
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不凍港を求めてロシアは南下政策をとったと昔学校で習ったのだが、ムルマンスクがあるじゃん! でもwikipediaによるとこの街ができたのは1917年、ソ連が生まれた年だ。旧ロシア帝国時代にロシア(のヨーロッパ側)には不凍港はなかったというのは正しいようだ。
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というわけで北の港ムルマンスクは、ソ連成立以来ロシアの重要な軍港であり、ロシア海軍の基地がある。
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(ここからやっとストーリー)
このムルマンスクでロシア海軍によるクーデターが起こった。そのことをアメリカ軍はいち早くキャッチする。ホワイトハウスの緊急対策会議で(アメリカ大統領が白人女性だったのが違和感あったな)、監禁されたロシア大統領(名前がプーチンでなくザカリンなのはもっと違和感あったな)を救出するという前代未聞の危険ミッションが決定される。実行するのは米海軍の潜水艦アーカンソーと特殊部隊NAVY SEALS。世間にクーデターが知れ渡る前に、迅速にミッションを実行するのだ・・・
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潜水艦同士の戦い(魚雷、おとり弾)、米軍特殊部隊とロシア軍特殊部隊の戦闘、と手に汗握るアクションシーンが続く・・・
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ここまで書いて最後に落とすのも気が引けますが・・・
前半のミッションが許可されるあたりまでや、潜水艦シーンは面白かったのだけれど、終わってみれば、クーデーター首謀者が極悪人で、それを阻止した米軍が正義という単純な構図、いかにも勧善懲悪な結末も、結局単なるアクション映画かという印象が否めない(それを楽しむのが目的なら十分目的は果たしているのだが)。もの凄い機関銃乱射でたくさんの兵士が虫けらのように死ぬし・・・。そもそも設定に無理がありすぎでしょ。
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潜水艦艦長同士の敵味方を超えたリスペクトという感動的な部分もありましたが、わたし的には潜水艦映画としては「クリムゾン・タイド」の方が人物の掘り下げが深くてずっと面白かった。
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(おまけの雑学)
・潜水艦映画でよく出てくる、方位を表す3つの数字(0-7-0)は、基準の向き(北方向)と、その方向との間の角度(時計回り、単位°)を表したもの。
 北 0° (0-0-0)
 東 90° (0-9-0)
 南 180°(1-8-0)
 西 270°(2-7-0)
・潜水艦では上下の方向もあるのでは? とも思うのだがそこの表現は出てこないので、よくわかりません。