ゆめちん

ブレス しあわせの呼吸のゆめちんのネタバレレビュー・内容・結末

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ブレス しあわせの呼吸

愛にあふれた素晴らしい映画でした。

運命の恋に落ち、家族や友人に祝福されて結婚し、幸せな日々を送っていたロビン(アンドリュー・ガーフィールド)とダイアナ(クレア・フォイ)ですが、ロビンが仕事で訪れていたナイロビでポリオに感染してしまい、首から下が全身マヒで人工呼吸器をなしで生きられない体に、さらに医師から余命宣告も受けてしまいます。

前半から中盤にかけて、最初は死を望むロビン、家族や友達から生きる希望をもらい、徐々にポジティブでエネルギッシュに人生を謳歌していき、同じ病気で苦しんでいる人にも希望を与え、重苦しいテーマの中でも明るく魅力的なシーンが多く描かれます。

クレア・フォイが女性として、妻として、そして母親として最後まで強い意志を持ち続けるダイアナを見事に演じます。
"あなたの人生は私の人生"、ロビンにあふれる愛情を注ぎ、生きる希望を与え、そして息子ジョナサンに父親の勇姿を見せ続けるダイアナ。

そんなダイアナが、限界を悟ったロビンの意志を受け入れるしかなく、大声で叫ぶシーンはあまりにも切なく映ります。

カフェで手を繋ぎながら、12時を待つダイアナとジョナサン、こんなシチュエーション今まで観たことないですし、その時の心境なんて想像すらできない、辛く耐え難いシーンでした。

最後のシーン、"私はお別れなんて言わないわ" と最後まで気丈に振る舞うダイアナの台詞と表情、思わずグッときてスクリーンから目を背けずにはいられませんでした。

後半は辛いシーンの連続ですが、同じ病気の人に希望を与え精一杯生きたロビン、そのロビンを最後まで深い愛で包み込んでいたダイアナ、そんなふたりの生き様を見事に魅せてくれた気がします。

エンドロールで流れた実際のプライベート映像、実在の人物を映画化した作品は数あれど、それらとは異なる映画であることを教えてくれました。
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