すいか

ブレス しあわせの呼吸のすいかのレビュー・感想・評価

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)
4.1
何事も、一番最初に挑戦して成し遂げる先人がいるから、今がある…しみじみ思った。
脊髄ポリオによって四肢麻痺、人工呼吸器がないと自分で呼吸もできなくなった主人公ロビンが、妻ダイアナをはじめとする多くの人々に支えられ、60年代当時、誰もしていなかった在宅療養を始める。人工呼吸器をつけた人間が、家に帰る?とんでもない、すぐ死んでしまうよ、が常識だった時代、彼らはそれを達成する。
しかしすごいのはここから。家に帰ってただ寝たきりの状態でいるわけではない。外出だってする。庭でのパーティー、そして海外旅行だって!

もちろんこれは、妻ダイアナのケア、友人による車椅子やバッテリー式人工呼吸器の開発、車の改造などなど協力者あっての、非常に恵まれた環境の上のことではある。彼がさらにすごいのは、自分のこの幸せを、同じ境遇の人々に少しでも分けられるように周囲を巻き込み、働きかけていくのだ。すごいバイタリティ。
当時の重症障害者に対する、世の中の価値観を大きく変える存在であったと思う。

この夫婦は一心同体。大きな試練を背負いながらも、夫を励ます強い妻ダイアナと、それに支えられて、自分の人生を生きた夫ロビンの物語には、素直に感動した。すごい!

ラストは、きっと今でも賛否両論、色々な意見が出る問題を扱っている。当事者になったら自分はどうするだろうか。
すいか

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