AkioSogo

ブレス しあわせの呼吸のAkioSogoのレビュー・感想・評価

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)
4.5
映画館で鑑賞。

本作のプロデューサーであるジョナサン・キャベンデッシュの実の両親、
ロビンとダイアナの、幸せに生きぬいた家族の記録。
「いちばん高くついたホームビデオ」とは言い得て妙ですね。

ポリオ・サバイバーとして、首から下が全身麻痺となり人工呼吸器が
ないと呼吸もできない…重度障害者でありながら、当時の
常識に反し、病院を退院し、人工呼吸器を乗せた車椅子を発明し、
いろんなところへ出かけて行くロビンが生き抜いたしあわせの記録です。

当時のドイツの病院の光景がまさにディストピア的で忘れられない。
患者が整然とカプセルホテルみたいに詰め込まれ、食事というより
給餌をつめこまれ、それを最先端と誇る所長…
他の国でも五十歩百歩で、監獄というのが比喩でもなんでもない状況が
余命数カ月という結果を作りだしていたのではないでしょうか。
実際、ロビンは1959年にポリオに感染したのにもかかわらず、
1994年まで生きていたわけですから。

奥さんのダイアナさんもすごいですよ。なにせ退院したいというロビンの
意向をくんで、家を買い、介護方法を学び、ロビンの最後までを
見とどけたのですから。

ロビンを演じたアンドリュー・ガーフィールドが、ほぼ顔芸なのに
あんなに感情豊かに演じている姿は必見です。
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