たつかわ

ブレス しあわせの呼吸のたつかわのレビュー・感想・評価

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)
3.8
本作はプロデューサーの父親をもとにした作品であり、
監督はアンディーサーキス。映画ファンであれば彼を知らない人はいないだろう。彼は、モーションキャプチャーの第一人者である。姉が重い障害があり、このような問題にとても関心があった。

60年代のイギリスを舞台にした、いわゆる難病ものであるものの、現代の問題にも目を向けた良作です。主人公は首から下が動かない小児麻痺にかかり、人工呼吸器の機会を横において寝ていなければならない。このころは病院側は患者を外に出すということは考えられなかった。しかし、病室で呼吸器の音を24時間聞き続ける生活に「死にたい」と奥さんに告げるほどの精神状態で生き続けるのか、機械の故障による呼吸困難で死亡する可能性のある外で生き続けるのかという選択肢で後者を選んだ主人公のお話です。

本作はユーモアがふんだんにあり、主人公の笑顔がとても印象的です。主演のアンドリューガーフィールドは、「沈黙」や「ハクソーリッジ」の時に見せた狂気の中でのちょっと気持ち悪い笑顔とは違い、難病を家族や仲間と一緒に戦っていくための素晴らしいスマイルです。また、晩年の表情が意外に素晴らしかった。

後半に登場するドイツの病院で主人公たちが観た黒いものが並んでいるあのシーンは今となっては考えられない。

気になるのが、双子の兄弟にお金に関しては心配するなと言われているが、チャーター便の飛行機が登場し、どう考えても金がかかりすぎだろうと思った。

お涙頂戴ではなく、
ユーモアあふれた素晴らしい作品です。
また静かに終わるのが良い。
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