サラリーマン岡崎

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

4.0
「アキは、いつ女優さんになるの?」
ハタチで上京し、女優になることを夢見ながら、サーカス団「AURORA」で手品師の助手を10年しているアキ。
死んだ恋人のカイトのことを想って、
日々、妄想は止まらない。

この映画はスポットライト理論という『時間は流れておらず、過去も現在も未来もすべて同じ空間の中で同時に存在している』という考え方に基づいている。
妄想のことを主に意味しているが、
同時にカイトを想い、時が止まってることも表す。

何もせず、恋に溺れ、恋に絶望しながら、
何となく10年が過ぎていく。
「私はずっと夢の中だったら、ずっとカイトと一緒にいたい」
「アキちゃん、俺なんか明日死んじゃうかもしれないよ」
これって俺らも一緒かも。
仕事をして、結婚して、子供を産んで、
気付いたら何もしないで10年経ってる。
「アキは、いつ女優さんになるの?」

目の前の欲望に溺れずに、
「ちゃんと女優さんになってね」。
このラリった映像から抜け出す銃撃戦は圧巻。
俺はいつこの銃撃戦を迎えられるかな。