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THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティのhirogonのレビュー・感想・評価

3.5
邦訳すると”眠り姫の限界”って感じでしょうか?
二宮健監督が描く現実と妄想が混じり合ったような映像は、過去に経験したことがないような映像です。
どこまでが現実で、どこからが妄想なのか?判断が難しく、アキの妄想の世界をともに体験している感覚です。
ただ、新しい表現の体験ではありましたが、私の感性が追いついていない部分があり、自分の頭も若干混乱していた感じ(笑)

家出少女オリアアキ(桜井ユキ)が、バーでサーカス団「オーロラ」を運営するカイト(高橋一生)と出会い、その後、カイトは自殺します。アキは、その頃から妄想への依存が高まっていったようです。

冒頭、ビルの屋上でアキとピエロっぽい人物(以下、ピエロ)が会話しているところから話が始まるのですが、あの場面、既にアキの妄想の世界だったようです。
頻繁に現れるこのピエロが、アキ自身が投影された別人格のような位置付けになっています。
その後、現実か妄想か分からない世界が展開されていきます。
「今は現実。今度は妄想?」と何となく判断しながら見ているのですが、どこまで正確に把握できていたか?です。

特に、アキとカイトのラブシーンには、”おっ”と目を見張ってしまいました(笑)割としっかりしたラブシーンで、高橋一生目当てで見に来たファンにとっては結構辛いのでは?でも、あのシーンも妄想だったと考えれば許容範囲?などと余計なことを考えてしまいました。

ラストシーンは、アキの妄想世界からの決別と再生を暗示しているようです。題名が示すように、アキの精神が妄想によって限界に達し、リセットされたイメージなのだと感じました。
アキを演じた桜井ユキは、初々しい感じの女優さんで、チラシには映画初主演と紹介されていましたが、ラブシーンも含めて印象に残る演技でした。
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