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劇場版 フリクリ オルタナのmotoietchikaのレビュー・感想・評価

劇場版 フリクリ オルタナ(2018年製作の映画)
1.5
脚本がひどすぎる。表面的な言葉で「それっぽさ」を演出するだけのフリクリなんて観たくなかった。
演劇はもっと言葉の詩性をとても尊重した表現だと思っていたのだけれど、演劇人であるところの岩井秀人がそれを裏切る脚本を書いている事実に、あまりにも悲しくなった。

感性どうこうという問題ではなく、「原作とは別物として観れば……」という話でもない。ふつうに事故。「オルタナ」って言ってるくせに原作よりも保守的で、それにも関わらず壊滅的な脚本になってるのが本当にびっくりする。

ガイナ作品含むオマージュが多用されてるが全部雑で、観客の感情を逆撫でしようとしてやったとしか思えない。

the pillowsの音楽も丸くなってスカスカだったのが悲しかった。原作はもっと尖って歪んだギターサウンドでビリビリ場が震えていたじゃないですか。だからこそ作画MADとして成立していたのが、今回はふつうのBGMになっていた。別にそれ自体が悪いかどうかは分からないけれど。

第1話とラスト2話ぶんだけで劇場版やったら、ここまで最悪な印象にはならなかったのかな、なんてことを夢想する。ラスト2話はさすがにちゃんと話が動くので、まだ観ていられる。それまでの時間の引き延ばしがあまりにも苦痛でした。

ブチ切れポイントをいくら挙げてもきりがないので、アクション作画に関しては褒めたい。
オルタナにおけるハル子の登場シーンはだいたいくそつまんなくなる瞬間なんですが、それでもハル子のアクションシーンは脳が躍動する快楽がありました。
プログレの予告映像見るとやっぱり楽しみにはなってしまうのですが、そちらも脚本が同じ岩井秀人なので、希望はない。
それでも観に行きたい。強烈な葛藤に襲われています……助けて
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