風来坊

ラスト・ブレスの風来坊のレビュー・感想・評価

ラスト・ブレス(2009年製作の映画)
2.0
イラクと隣接する極寒の険しい山岳地帯で国境警備に当たるトルコ軍の駐屯守備隊が、クルド人武装組織の襲撃を受けて窮地に陥りながらも反撃に転じる様を描いたトルコ製の戦争映画。

全体的に抑揚が無く淡々としている印象。戦闘シーンはあまりなく、兵士達の活動を通して兵士それぞれの人となりや国境警備がどれだけ過酷かをトルコ国境の過酷な大自然をバックに描いています。ですのでパッケージのような戦闘満載の戦争映画を期待するとメチャクチャ退屈です。

人間描写を丁寧にしているというのはありますが、如何せん長過ぎるしそりゃ愚痴もこぼしたくなる任務ですがシンプルな愚痴じゃなく遠回しな愚痴にイライラします。隊長の人柄にもイライラ。説明もあまりなく場面展開が急だったりして分かりづらさもありますね。

溜めに溜めた分、クライマックスの戦闘シーンは爆発シーンなど臨場感があって迫力があるが暗闇の中での戦闘で敵味方双方標的の位置に見当を付けて銃を乱射しまくるという戦争映画としては珍しい戦闘シーンなので分かりづらいので何とも言えない感じになってしまってます。最後の方はホラーぽい感じもしました。

期待した物と違い残念。戦争というか紛争の虚しさは伝わっては来ますが、良い意味で期待を裏切られる事もなく物足りなさだけが残りました。それでも貴重なトルコ映画ですし人間ドラマ人間描写を中心にした戦争映画がお好きな方には上手くハマるかも知れません。
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