『魂のピアニスト』フジコ・ヘミングを追ったドキュメンタリー。
同じピアノを弾いても、弾く人によって音が違う。 私は先生から「あなたは腕で弾こうとするから音が汚い」と手の甲をよく叩かれた。
今の時代、生徒が来なくなってピアノの先生では食って行けなくなるかもしれないけど、今になってやっと先生が言ってた事が分かる気がしたのだ。
私は腕で弾いていた、だから音が汚なかった。
フジコ・ヘミングのピアノが心に響くのは、『魂』で弾くから音に『魂』が宿っているからなんだろうなぁと。 彼女が生きて来た人生の悲しみや苦しみ、喜び、生き様の全てが音に詰まっているから神々しく美しい音がするんだろうなぁと。
彼女は古い物を愛し、犬と猫を愛し、童女の様な柔らかさと可愛さを持つチャーミングでパワフルな女性。 フジコ語録も絵日記も、世界のあちらこちらにある家も素敵。 これからもずっとお元気で 好きなモノに囲まれて、独自の感性で、演奏で魅了し続けて欲しい。
