たつかわ

フジコ・ヘミングの時間のたつかわのレビュー・感想・評価

フジコ・ヘミングの時間(2018年製作の映画)
3.8
この人のことを全く知らない自分でも飽きることなく観ることができました。
そもそも代表曲があるわけではなく、なぜ有名なのか知らなかったが、
そのようなことはどうでもよく、彼女の生き方そのものが作品です。

本作は、現在の彼女、彼女の半生そしてコンサートの様子で構成されています。
現在の彼女は80歳を超えて、パリを拠点に世界中を飛び回って各地でコンサートに臨むまでの姿を映していて、パワフルなのはもちろん、様々なこだわりを持っている人だと思いました。例えば、物を大切にする点だ。ピアノはもちろん、京都の古い家を購入し、リフォームし、京都でコンサートが行われるときには、そこから通う。(京都以外にも世界中に家を持っている)。一方で常にどこかでビルを建設している現代の東京はお気に召さない。

スウェーデン人の父と日本人の母の間にベルリンで生まれた彼女は、戦前、戦後の日本で育ち、父親は行方不明になり、留学しようとしたら、ある理由で困難になり....。その後、苦労の末にブレイクしたのが60歳を過ぎてから。いつまでたっても夢はあきらめるものではないと感じました。

コンサートの曲はタイトルは知らないけれど、聞き覚えがあるということぐらいでちょうど良かった。2時間というドキュメンタリーとしては長い作品ですが、飽きることはありませんでした。フジコに詳しい人よりも全く知らない人のほうが楽しめると思います。

おススメです。
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