MURANO

トップガン マーヴェリックのMURANOのレビュー・感想・評価

4.1
いくら何でも『トップガン』みたいな映画でここまで前評判が高いのは不自然だろ、って正直感じてたんですが、観たらその理由がわかりました!

36年前の前作で良かったところはしっかり引き継ぎつつ、前作で良くなかったところもきちんとアップデートした、バランス良い続編に仕上がっています。

そして、それ以上に、映画館で観るド直球の超大作としての高揚感! そこに懐かしさを覚えつつ、まさに”胸熱”でしたね。

映画も最近は、長く続くシリーズものだったり、社会問題を反映した考えさせるものだったり、一本観るうえでの敷居は高くなってると思うところもあります。

そのぶん、ハマると面白さに深みがあるのは確かだけど、あまり考えずに観られて、スカッと気持ちいいこの映画のような作品、実は待望感があったのかもしれません。

冒頭からしっかり「Danger Zone」が流れるし、バイクや飛行機に乗るトム・クルーズの姿は、マーヴェリックとして前作と変わらず様になり、スターとして完璧な佇まいを見せています。

歳を重ねてもなお、しっかりビーチでは筋肉の付いた上半身を見せつけたことにも、さすがだなと思ってしまいました(笑)

そのうえで、無鉄砲だった若きパイロットが教官になっての葛藤で、かなり世の中の老兵たちの心を刺激してくる。

現場主義なのに教える立場になって苦悩するところって、中間管理職の抱える悩みそのものですよね。

36年の間にトム・クルーズの一緒に歳を取った観客には特に、このドラマ性にグッと来ちゃうだろうなと思いました。

旧友ヴァル・キルマーの登場のさせ方とかも、泣けるよな〜!

そして終盤の空中戦は、もう圧巻でした。最後にどうなるかはわかってるはずなのに、ひたすらハラハラドキドキ。

序盤からどういうミッションに挑むかを、訓練を通してかなり丁寧に説明していた結果、状況把握しづらそうな空中戦の中でも、何が予定通りに進み、何がトラブルなのか、ものすごくわかりやすくて。

わかりやすいゆえに乗りやすくて、アクションは本当上手く使ったよなと強く感じます。

世代的には『トップガン』が大ヒットした頃は知らないし、そんなにトム・クルーズに思い入れがあるわけではないけれど、素直にエンターテイメントとしてテンション高まりました!

トニー・スコットに捧ぐ、というのも熱いし、納得の出来栄えでした。
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