カツマ

トップガン マーヴェリックのカツマのレビュー・感想・評価

4.6
伝説は蘇り、そして新しい扉を開ける。解き放たれた二枚の翼、それは過ぎ去った年月を無にするほどの疾走感と躍動感。どんな重力も身体で受け止め、一寸の先にある死をも置いてきぼりにしてしまう。その男の名はマーヴェリック。トップガン史上最高のパイロットであり、永遠の問題児。そんな彼が第一線に舞い戻るなら、その物語が熱くならないはずがなかった。

30年以上の月日をぶち破る脅威の続編がここに降誕!1986年の王道スカイアクションムービー『トップガン』の続編が最高の形で蘇り、尋常ではない拘りと執念と情熱によって現代へとその姿をタイムスリップさせた。主演はもちろんプロデューサーも兼ねるほどの気合いを見せるトム・クルーズ。彼のその熱量に若手俳優たちが見事に応え、そこに最先端技術と最高難度の映像テクニックを盛り込んだ完全大スクリーン仕様の大作が完成!絶対に映画館で観るべき空の革命であり、それでいてどんな時代でも大定番となれる王道を直進した作品だった。

〜あらすじ〜

ピート・ミッチェル(マーヴェリック)海軍大佐は、輝かしい戦歴を誇るレジェンドでありながら、昇進を拒み続け、未だにテストパイロットとして音速に挑戦し続けていた。その日もマッハ10を目指すべく搭乗した新型機で見事、目標を達成!したにも関わらず、マーヴェリックは更なる速度を求めて機体はオーバーヒート。結果、テスト機のダークスターをお釈迦にしてしまう。
マーヴェリックは当然のように上官から叱責を受け、飛行禁止になるかと思いきや、かつての盟友アイスマンの計らいによって、あの精鋭が集うトップガンへと舞い戻ることを命じられる。
意気揚々とトップガンへと戻ったマーヴェリックだが、上官から伝えられたのは教官という職務であった。短期間で若手精鋭パイロットたちを鍛え上げ、ほぼ不可能と思われるミッションを成功させることがマーヴェリックの仕事であり、彼自身がミッションに参加するわけではなかったのだ。しかも、若手パイロットの中にはかつての相棒にして訓練中に命を落とした盟友グースの息子、ルースターがいて・・。

〜見どころと感想〜

これぞスクリーンで観るべき映画!IMAXやDolby Atmosといった五感を最大化できるスクリーンでこそ真価を発揮する、究極の映画体験があなたを待つ。物語は往年のハリウッド映画を彷彿とさせる超王道!全くヒネリがないどころか、前作『トップガン』を完璧にオマージュした続編であり、正にシンプル・イズ・ベスト。分かりやすい展開、熱いキャラクター、緊迫感抜群の映像体験、スリリングな音楽、どれもが最速で高水準を叩き出せるクオリティを誇っており、結果としてスクリーンへの没入感が異常に高い作品に仕上がった。体感時間も高速で、一瞬の煌めきのようにエンドロールに辿り着いてしまうのだ。

主演のトム・クルーズに関してはもはや凄いとしか言いようがない。続編製作権を長年保有していたその情熱をここに集約し、若手たちを引っ張りながら、ついにこの大作をものにした。そんなトムの悲願でもあったヴァル・キルマーの出演も叶い、マーヴェリックとアイスマンの友情は36年の時を越えた。
そんな熱いベテランたちに負けじと若手俳優たちも躍動。過酷なトレーニングを乗り越え、トップガンという歴史に新たなる袖を通した。あのグースの息子役を演じたマイルズ・テラーはビジュアルまでグースに似せてくる役作りで、違和感なく過去と現在をリンクさせる。他の精鋭パイロットたちにグレン・パウエル、ルイス・プルマン、モニカ・バルバロらを抜擢。それぞれに今後の活躍が楽しみになるインパクトを残し、かつてのトムやヴァルのようにスターダムに駆け上がっていく姿が見られるかもしれない。

ヒロインの役にはケリー・マクギリスではなく、ジェニファー・コネリーをキャスティング。ジェニファーが演じるペニーという役どころは、実はマーヴェリックがかつてアタックしていた女性として前作の劇中でもチラリと言及されており、上官の娘という設定なので内部事情にも詳しいキャラクター。そんな細かい伏線もキッチリ回収してくるあたりに、前作からの続編という太い幹を実感させてくれる。

今作の見どころは多い。キャスティング、前作からの伏線回収、オーソドックスを素でいくストーリー。どれもが高水準で完璧にエンターテイメントである。が、なかでもやはり凄まじいのが随所に炸裂する強烈なスカイアクションの数々だろう。ビリビリと機体を震わせる感触まで表面化した怒涛のアクションシーンだけでもうお腹いっぱい。特に後半は息つく暇もないほどの畳み掛けで一気に大団円を迎えることができる。中弛み無し、休み無し。これぞエンタメ映画の大王道。『トップガン』に続き、この続編もまた映画史の殿堂に名を連ねることを間違いないだろう。

〜あとがき〜

やたらと評判の良い今作を一週遅れでようやく鑑賞です。いやぁ、凄い。トム・クルーズを含め、関係者全てに拍手を送りたい。正にやってのけたな、という印象です。
とにかくスカイアクションが凄まじい。IMAXかDolby Atmosが最適でしょうが、大きい画面でないとこの素晴らしさは体感できないはず。なるべく映画館に足を運んで観ていただきたい作品です。

何よりその王道感が良いですよね。全くヒネリのないザ・ハリウッド映画なのですが、そのシンプルさが潔い。アメリカでのメガヒットはもちろん、日本でのヒットも納得の一本。映画館で観れるうちに是非、あの空の世界を体感してみてください。
カツマ

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