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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストのskm818のレビュー・感想・評価

4.0
史実を元にした話で、政治的主張がはっきりしてるが、それ以前にバカップルでオタサーの姫やんけ笑。不逞社の仲間たちとワイワイやってるの楽しそう。この人たち若かったんだもんな。そりゃ青春だよな。金子文子は小学校も満足に出てないような境遇で彼らは大杉栄のことをブルジョワと言うような貧しい境遇の人たちだったけど、やっぱりそこには若くて明るい部分があったんだなあと。彼らが周囲の官憲の下っ端たちを翻弄していく様子がおかしくて、検事も刑務官ももうハゲそう。多分彼らには文子らの思想は理解できなかっただろうし、立場上の言動もあるけど、彼女の生い立ちに対する同情や人間的な面に対する憎めない気分というのはあったみたいで、だからこそああいう写真が流出したりすんだよな。内務大臣水野男爵の悪人描写が薄っぺらいのが物足りないっちゃ物足りないけど、悪人は徹底的に薄く描くという手法なのかもしれない。この人多分内閣内でも困りものなんだよなあ。他の大臣たちの責任転嫁しあうような無能っぷりもあるあるな感じ。新山初代もうちょっと出るかと思っていたら、あれだけか。冒頭からいきなり一緒に暮らそうで、前半のうちに震災が来たのは意外だったが、獄中の2人を描くのがメインなんだな。この2人って多分当時としてはむっちゃ新しい形の男女関係だったんだよな。契約書を壁に貼り出す同棲生活。もしおいらにパートナーがいるなら、こんな二人でありたいと思いましたね。
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