金子文子(チェ・ヒソ)と朴烈(イ・ジェフン)の二人に惹きつけられます。
『きみはどう生きるのか?』
『社会のために何を成すのか?』
と、映画の二人にきびしく問われているように感じました。
《……エスは尾を振り、頭を振り、跳んだり、くんくんいったりして私に飛びついてきた。私はまたエスとそこいらの田のふち、山の裾などを歩いてまわった。(中略)
朝鮮にいるとき私は、自分と犬とをいつも結びつけて考えていた。犬と自分とは同じように虐げられ同じように苦しめられる最も哀れな同胞かなんかのように感じていた。
思わず私はエスを抱きしめた。
『エス、お前は仕合せかい』
小さな声で、私は心からこう言った。…》
「何が私をこうさせたかーー金子文子 獄中手記」より