このレビューはネタバレを含みます
時間に追われループの始点と終点が定められた状態で方法の模索を強いられる男。その枠内において如何なる手段を以ってしても抗えない絶対的に立ち塞がる愛する娘の死。ここでとある男を起点としたループは閉じている。
そこに現れる一筋の希望。彼は愛する妻を救うべく、同じくループを彷徨い歩いているという。独りの男を起点とした閉じたループが、2人の男を起点とした開かれたモノへ。選択肢が広がり、可能性へと、未来へと通じていく…かの様に思われたのだが…
愛する娘の、愛する妻の死。ひたすらに繰り返される死に打ちひしがれていく2人の男。防ぐことのできない死に対し募っていくやり場のない感情。この彼らの感情を以てもう一人の人物へと、そしてループの神髄へと迫っていく様は見応えがあった。