MasaichiYaguchi

3D彼女 リアルガールのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3D彼女 リアルガール(2018年製作の映画)
3.3
「美女と野獣」ならぬ「美女とオタク」のピュアな恋を描いた那波マオさんの原作コミックを中条あやみさんと佐野勇斗さんのW主演で英勉監督が映画化した本作からは、究極の格差を乗り越える一途で純粋な思いがギャグやキュートなアニメを交えて描かれていく。
生身の女性よりアニメに登場する女の子に萌える若者たちがいる。
若者たちを単純に「オタク」と括ってしまうのは簡単だと思うが、彼らにとって現実の女の子たちはガサツで悪態をついたり、時に下ネタを平気で言ったりして男を屁とも思っておらず、特に2次元を愛する輩などは「ゴミ」以下としか思っていないので〝自分を傷付ける〟か〝幻滅〟の対象であり、それに対して自分らの理想を具現化したアニメキャラクターは〝女神〟のような存在なのだと思う。
そんな彼らの一人であるつっつんこと筒井光は、ある切っ掛けで学校一の美少女・五十嵐色葉と知り合い、まさかの交際がスタートする。
自らの信じられない状況を訝しみながら、おっかなびっくり手探りで付き合うつっつんを演じる佐野勇斗さんが振り切れたコミカルな演技で楽しい。
リア充美女と恋愛するという夢のような蜜月を過ごすつっつんだが、2人には思わぬ展開が待ち受けている。
夢はいつか覚めるが、つっつんの彼女を思う一途さ、「オタク」の彼の内にある優しさをはじめとした魅力に惹かれた色葉とのピュアな恋は何処に行き着くのか?
結末は如何にもという感じだが、漫画らしい、映画らしい魔法に掛かるのも偶には良いかもしれない。