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寝ても覚めてものmeltdownkoのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
5.0
今年の邦画では「カメラを止めるな」を暫定ベストと考えていたものの、個人的にはこれを軽々と飛び越えて行った感のある1本。
人間は変わる、ただしそれは君たちが考える経路ではないのだ、というやり口はある種の観客に対する挑発のようでもあり、そういう意味においては映画に共感を求める層には決しておすすめできない映画となっている。
半径 5 m のコミュニケーションを相対化して解体しきったあと、そこに残るものは果たして何なのか。「ハッピーアワー」で見られた試みは本作でさらにラディカルを極め、濱口竜介の観察者としての視点に対し、私はただスクリーンに釘付けになるしかできなかったのである。
この映画の画期的な発明は、東出昌大の長髪(っていうほど長くないけど、最初まったく誰だかわからなかった)ではないか。東出昌大は石田法嗣に続いて濱口竜介のミューズとなるのだろうか。石田法嗣もあまり上手くないと私は思うのだけど、そういうのが好きなのだろうか。ブレッソン的な意図なのだろうか。東出昌大の棒読みが麦のホラー感に拍車をかけていて、これ寄生獣なんじゃないか、とか思った。
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