まこと

寝ても覚めてものまことのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.8
「ずっと長い夢を見ているみたいだった」
人によって是非がハッキリ分かれると思うけど、私は今年のベスト級。
ここまで人の感情を揺さぶる大人の恋愛映画って邦画では初めてじゃないかな。

監督の前作「ハッピーアワー」が5時間越えの超長編映画ながら、めっちゃくちゃ面白くて、それ以来続編は必ず観ようと心に決めていた。




邦画のダメなとこ(セリフで語らせすぎたり泣ける音楽を流したり)は一切なく、役者の表情と声、そしてかなり多いロングショットから察するほかない。
そんな淡々とした映画にマッチした東出くんの声が絶妙に素晴らしく、今まで東出くんのことを棒読み!とか演技下手!とか言ってた人たちは考えが変わること必死。


「ハッピーアワー」でもそうだったけど、女性同士のとりとめない会話描写が抜群にうまく、会場からも笑い声が響いていた。
たぶん、意図したであろう美人過ぎない薄幸で贅沢なヒロインのキャスティングもgood。


川は時として綺麗でも汚くもある。人間も同じで聖人君子などいない。
汚いところから綺麗なところを見いだせるか。
本作のヒロインは言ってしまえば【最低】としか言えない。

でも、いつだって私たちの行動には、(本質的には)理由など無いよね。こう思ったから、こうする。この積み重ね。
ハラハラドキドキしたいなら、別の恋愛映画のほうを手に取るべき。
でも自分は、恋が日常である女性の、身もフタもない現実を描いた意欲作だと感じた。
素晴らしい映画でした。
ラストのロングショットは必見。





ただ、たぶんだけど役者陣の大阪弁はかなり下手だと思う。
関東にいる私が聞いてもそう感じたから、ネイティブな大阪弁話す人からしたらずっと違和感あるんじゃないかな。





ネイティブな大阪弁って何やねん



 
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