だいすま

寝ても覚めてものだいすまのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
5.0
「ハッピーアワー」で物凄い衝撃を受け、「PASSION」「親密さ」「永遠に君を愛す」「天国はまだ遠い」を観てこの知性派インディー監督に付いて行こうと決意(笑)

そんな監督のメジャーデビュー作は、インディー諸作から受け継がれた”セリフ”を大切にした丁寧な作りとなっている。

原作を基軸としているものの、相当アレンジが成されている。震災シーンはさることながらラストについては全く違うが、私は原作よりも本作のラストの方が好きだ。

朝子のキャラクターについては当然賛否あると思うが、濱口監督が過去より表現してきている”綺麗ごとだけでは済まされない人間の本質”が木目細かく描かれていると感じるし、本作のテーマである「顔が同じなら中身が違っても好きになれるのか?」についても難解ながらも上手く考えさせてくれる。

カメラワークについては、ところどころ秀逸なシーンがあるが私個人的には、終盤、麦と別れ一人堤防に登った後の荒れた海と対峙する朝子のアップのシーン。波音と重なり、何とも不気味で美しく、本当に久々に身体が震えた。

あと2回は、じっくり鑑賞したい。

ちなみに私はエキストラで参加しており、2つのシーンで映っていた。カットされてなくて良かった(^_^;)
作品の素晴らしさだけでなく、昨年8月の撮影が良き思い出になったこともあり、満点を付けさせて頂いた。
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